諏訪大社の下社があるのは諏訪湖の北、
中山道下諏訪宿の街並みの中です。
甲州街道の終点でもあります。
近くの小さな構えの店で昼食をいただきました。
卵の苞(つと)は現役。
今もこうして運ばれてくるそうです。
昔、身近だった藁は、
生活のあらゆる場面に使われていました。
「今は藁が手に入らんもんで、
その為に田んぼをしとるんよ。」
と、伝統工芸の職人さんに伺ったことがあったので、
卵の苞を見てしみじみ感動。
味噌と醤油の焼きおにぎり、
根菜たっぷりのすまし汁、
美味しそうなつまみもちょっとずつ。
私たち貸し切りの店内で、
黙々と料理をし、盛り付け、食材の説明をしてくださり。
丁寧にとったおだしが優しい味で美味しくて、
ガンガン古墳をめぐって疲れた胃袋にしみました。
主張しすぎない古伊万里の器にまで、
店主のお人柄がにじむ空間でした。
伺ったのは昨秋。店主の嘆きも聞きました。
長年つきあいの魚やが、
消費税増税を機にもう無理と商いをたたんだ、と。
間違いない目利きと要望を絶妙に満たす融通。
そんな仕入れはもう望めない、と。
それから半年。
今の危機の中、
店主が同じ言葉をつぶやいているのではなかろうか。
旅先の現場はさらに現場に、そのまた現場に支えられ、
私たちは美味しい恩恵を頂戴しています。
また行きたい。
必ず伺いますからね。