ソウルの独立門はパリの凱旋門をモデルにしたデザイン

パリの凱旋門をモデルに、
スイス人技師が設計した「独立門」(1897)。

独立とは、清(中国)からの独立です。
自主独立の誓いのシンボルとして
建てられました。

ここは、
朝鮮王朝時代の西大門があった場所です。

大都会ソウルの中心部には
東大門、南大門が今も堂々と姿を構えています。
朝鮮王朝時代に城郭が都をぐるりと囲んでいた、
その東西南北の大門の「東」「南」です。

「西」の西大門は、
城内を出て北上し北京まで至る
幹線道路の出入口でした。

この道を通って、
清の皇帝の勅使がやってきていたのです。
その勅使を恭しく迎えるための「迎恩門」が
西大門とは別にありました。

日清戦争後の下関条約によって
清から独立したときに、
迎恩門を壊し、
清の配下から解放された象徴として、
その後ろに建てたのが「独立門」。

喜びの象徴だった門。

ところがこの約10年後には、
大日本帝国は韓国を併合し、
1945年まで日帝強占期の時代が続きます。

朝鮮時代の「西大門」は姿を消していますが、
「独立門」と「迎恩門」が
20世紀の初めを伝えてくれる場所です。
迎恩門は2本の柱礎だけが残っています。
(写真は2019年、修復工事中)

*古い写真は
『西大門刑務所歴史館』図録より


韓国、ソウル Seoul

公園として整備された独立門。朝鮮王朝時代に清の使者を迎えた場所

朝鮮王朝時代に清の使者を迎えた迎恩門の柱礎の碑

朝鮮時代の西大門(図録より)

迎恩門(図録より)



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