1031年9月18日。
この日から歴史は轟々とながれていきました。
中国では九一八事件と呼ばれています。
この日付を
日本では意識せず流れていきがちですが、
中国では誰もが認識している暦の一つ。
日本の会社はイベントや新商品発表などを
絶対に避ける日の一つです。
鉄道爆破の前後の、
大日本帝国の細かい一つ一つの行いが、
ぞっとするほど今とかぶるのは
気のせいではないと思います。
柳条湖の3年前1928年は張作霖爆殺事件。
柳条湖の翌年1932年は平頂山事件。
満州と呼ばれた地、
東三省(黒龍江省・遼寧省・吉林省)は
19世紀の終わりに
ロシアが鉄道敷設の権利を得て満州横断の東清鉄道を完成させ、
日露戦争後に旅順〜ハルピン間の支線を
日本に譲り、あの満鉄が誕生します。
満州地域の歴史を知ることは
今を知ること。
関東軍や満鉄を、
自分ごととして知らなくてはと思います。
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下の写真はハルピン にて3点、瀋陽にて3点
■ハルビンにて
黒龍江省博物館
近代史コーナーの入口
この地の近代史を鉄道が動かしたことが伝わる。
レリーフの左奥の塔に
1897-1903
と刻んであるということは、
東清鉄道の敷設の歴史を描いているのかと。
‥ということは、
中央でロシア外交官と握手するのは
李鴻章か?
その左に‥。
■瀋陽(旧奉天)にて
旧ヤマトホテル
今も高級レストランとして現役。
ちょうどパーティーの準備をしていました。
若い人たちはこうして
旧ヤマトホテルで結婚披露宴を行うのだそうです。
最後の写真は
飾られた古い写真群の中の、
旧旅順ヤマトホテル。
満鉄は単なる鉄道会社にあらず、
施設や炭鉱など多くの権益を握りました。
ヤマトホテルも各地に。
そして余談ですが、
<余談1>
清朝崩壊から民国、満州にかけて、
浅田次郎氏の4部作が有名ですが
(そして本当に面白いのですが)、
4部はちょっと忘れられがち。
張作霖爆殺に絞った1冊で
昭和天皇の極秘中の極秘ミッションを帯びて
事実を調査する小説です。
1. 『蒼穹の昴』4冊
2.『珍妃の井戸』1冊
3.『中原の虹』4冊
4.『マンチュリアン・リポート』1冊
小説ではありますが、
西太后も李鴻章も袁世凱も孫文も、
そして紫禁城も存分に出て来ます。
単独で楽しめますが完走はもっとおすすめです。ぜひ。
<余談2>
文庫版の解説の、
澁谷由里氏の文に大変興味をもち、
いろいろ調べるとさらに興味が湧き、
澁谷氏の「馬賊」研究を勉強中。
前書きを一読しただけで、
しがらみを解放した視点からのお話に
興味を持たずにおれません。
馬賊というと荒っぽい盗賊のイメージですが、
単にさにあらずの統治システムや文化。
馬賊とは何か。
満州とはなんだったのか。
また瀋陽に行ける機会があれば
張作霖・学良父子の史跡の中でも
数ある邸宅はもちろんですが、
絶対に足を運びたいのが
実際息を引き取った小規模な第五夫人宅。
ここでの時間稼ぎが
学良の権力継承をさせた
小説のような実話が詰め込まれています。
それと、
ハルピン の七三一。
撫順。
(2022/9/22訂正 七三一の場所を誤記していました)