能古島に沈む夕陽と波の音

波の音があまりに良くて、
思わず浜に座りこむ。

博多湾。

新羅使も渤海使も行き来した海。
空海も最澄も大陸へと漕ぎ出た海。
日宋貿易で中国商人が闊歩した海。
元寇が押し寄せた海。
先の終戦後は大勢が引き揚げてきた海。

目の前の島は能古島。
作家・檀一雄が終の棲家とされた島。
井上陽水のあの名曲で砂がサラサラ泣いた島。

今この浜は、
韓国中国の旅行者に人気のスポットで、
たくさんの若者が自撮り棒で熱心に写真撮影中。

多くのことを呑み込んで、
穏やかな穏やかな波の音。

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