
*後半に博物館の写真を30点ほど載せました
コロナの2年間、随分いろいろな博物館や遺跡をオンラインtripでご案内しました。
毎回、オンラインtripの前にロケハンをしています。いつもしみじみ感じ入ることがあります。そのことをお伝えさせてください。
洛陽の徐晟さん。いつも私たちにオンラインで現地や博物館を見せて下さいます。ロケハンの時には、いろいろチェックしたり質問したり本番ではカットすることも含まれるので、本番の2倍ぐらいの時間になります。
そのロケハンで目にすることがいろいろあります。博物館では、子供の団体や家族連れを多く見ます。賑やかすぎて(笑)本番ではそのシチュエーションは避けて日時を設定するので、ご覧いただけないのは残念でもあります。
賑やかすぎるのですが、でもその、
・子供がたくさん来ている当たり前
・ワイワイと楽しんでいる伸びやかさ
・博物館は家族の休日の出掛け先
・電動車椅子のお年寄りもたくさん
・館の巨大さと展示品の素晴らしさと来場者が相まって醸し出すエネルギー
・なんだか本当にみんな嬉しそう楽しそう
という「空気感」が迫ってくるのです。
入館料が無料というのも大きいでしょう。日本の1000円とか1800円ですと家族で日曜ごとに博物館など厳しいですね。
近年の急激な文化政策の向上も大きいでしょう。中国は博物館や考古学に莫大な投資をしています。びっくりするぐらい次々と巨大な博物館ができていますが、大きいだけでなく、それぞれの独自性を表現する内装などへのお金のかけ方が半端でない。
総“版築”とか、総“唐三彩”とか。もう〜、想像を絶しています。
これらはつまり、人への投資とイコールでしょう。先日は「文化遺産の日」(意訳)で、その日だけで12館が開館したそうです。
この2年間、コロナで移動が不自由になりましたが、一方でオンラインの裾野が広がりました。
この恩恵は、「現地が見れる、展示品が見れる」「何回でもオンラインで行ける、会える」だけではないと思うのです。
あの国では日常がこうやって動いている、
この国では人々がこんな表情をしている、
博物館で、遺跡で、
若いカップルがこんな過ごし方をしている、
親子や三世代で普通に休日を過ごしている、
そんな「空気」を感じられることが、実は大きな収穫なのではと、昨年から何度も重ねたオンライン企画で感じています。
私は建築関係の方の記事も多く拝読しているのですが、中国では最近、見たこともない世界観の書店や図書館が、各都市で次々とオープンしています。(奇抜という意味ではない。本当にハイセンス)
設計やデザインのみならず環境や気候に配慮した最先端の空間です。そして、それを手掛けているのが日本の環境設計のトップ企業だったりします。次に上海へ行けたらぜひ行ってみたい図書館もあります。
オンラインtripで繋がると、人々が文化環境の急激な上昇を驚き興奮しながら喜んでいるのが伝わってきます。
オンライン企画の本当の恩恵は、他国の「空気感」を窓から覗かせてもらえることにある気がします。
自分たちの周りの世界だけが“当たり前”ではない、ということを、私達はいつも反芻して自覚していなければ。そして考えることをしなければ。(どちらが良い悪いという話ではありません)
現地パートナーあってのこと。
中国・韓国・日本各地の皆さま、ご参加くださる皆さまに、感謝しております。
(近々見学予定の博物館をいくつか並べてみました。解説抜き、写真のみ)
もくじ [表示しない]
■洛陽隋唐大運河文化博物館
■中国大運河 回洛倉遺跡・博物館
■洛陽博物館
■隋唐洛陽城 応天門&明堂・天堂
■二里頭夏都遺跡・博物館
■仰韶遺跡・博物館
以上、
空撮と写真は全て、洛陽在住の現地パートナー・徐晟(Xu sheng)さん
一部、外観パースは博物館提供