チブサン古墳

日本に「古墳」はどれぐらいあるのでしょう?
およそ20万基とのこと。
うち装飾古墳は660基です。
つまり、全体の0.3%、
1,000に3つの希少なものです。

九州には日本の装飾古墳の6割があり、
熊本県の菊池川流域と、
福岡県の遠賀川流域と、
筑後川流域に集中しています。
中でも熊本県は200基弱と、ひときわ多い地域です。
200というと全国660基の約3分の1もが熊本県に!?

その中で特に、大変大変有名なのが、チブサン古墳。日本を代表する装飾古墳です。この顔は見たことある、という方も多いのではないでしょうか。

絵が意味する事は未だわかりません。

乳房なのか目なのか。
宇宙人とUFOなのか。
墓の主と銅鏡なのか。

いやいや、
必死に考える私たちを見て古代人は、
宇宙はもっと深淵なのさと、
笑っているかもしれません。
想像はどこまでも広げてみたいですね。

赤・黒・白の絵は華やか、かつユーモラス。
乳房に見えることから「チブサン」と言われるようになったとのこと。お祈りすると乳が出る乳のカミサマで、「乳房さん」がいつしか「チブサン」に。甘酒を供える信仰が近年まで続いていたという温かいエピソードもとても微笑ましい。

この絵の本物とご対面できます。申請して鍵を開けて頂き、古墳後円部の石室に続く細い階段を上がると目の前に現れるのは・・・、あまりにすごくて平常心を失いそうです。

現地にはガイダンスコーナーがあり石屋形のレプリカが展示しています。解説も図解とともにとても丁寧で、よく理解できます。広い公園内、チブサン古墳のすぐ隣には「オブサン古墳」。こちらは石室が開口しており見学できます。
(追記2018年10月:地震被害で復旧工事中。終了後に石室公開を再開とのこと)

山鹿一帯には、様々な装飾古墳があり、いくら見ても飽きることがありません。チブサン古墳の近くの熊本県立装飾古墳館は必見。

古墳館は全国唯一の装飾古墳専門館。
さすが装飾古墳王国です。

館には、図録や本でよく見る有名な装飾古墳のレプリカがずらりと並んでいて、まるでテーマパークのように楽しめます。イラストではありません。実物大のレプリカがずらりと。

保護のために現地は一切見学できないという装飾古墳がほとんどなので、装飾古墳館の実物大レプリカは貴重ですし、こんなに並ぶとお好きな方なら興奮ものです。


装飾古墳王国・九州の、
チブサン古墳(熊本県山鹿市)

*石室内本物の写真は、山鹿市HP・熊本県立装飾古墳館ガイドブックより。その他は筆者
*山鹿市博物館へ申請して鍵を開けていただきます。決められた時間やルールをよくご確認ください

 

【写真コーナー】—————-

チブサン古墳の玄室。石屋形という囲いは肥後の特徴
チブサン古墳 石屋形の絵

乳房?両の目玉?それとも
チブサン古墳 乳房?鳥の目?

妄想を刺激してくれる図
墓の主?宇宙?

チブサン古墳は6世紀の前方後円墳
チブサン古墳は前方後円墳

扉の鍵を開けて頂き、細い階段をいざ石室へ
石室への入口

古墳公園内のガイダンスコーナー
チブサン古墳ガイダンスコーナー

石人(せきじん)が被葬者を守っていました。埴輪でなく石人が古墳に立つのも地域の特徴
古墳に立っていた石人

ガイダンスコーナーの石屋形レプリカ
チブサン古墳レプリカ

真っ赤に塗りこめられて。あれは主人?宇宙人?
ガイダンスコーナーで絵がよくわかる

解説の図面をみると形状をよく理解できる。しっかりチェックして、いざ石室へ
ガイダンスコーナーの詳しい解説

隣にはオブサン古墳
(2016年の熊本地震による被害でオブサン古墳の石室は現在修復中で入れません。修復完了した折は公開され見学可能になるそうです)
オブサン古墳

オブサン古墳石室の最奥、石屋形
オブサン古墳の石室

前室の、奥に向かって右側の屍床(下の図面2番)
オブサン古墳の石屋形

オブサン古墳の解説。断面図をみるとひとつの石の意味もちゃんと理解できる。
オブサン古墳解説

オブサン古墳の断面図

 

熊本県立装飾古墳館のガイドブック。日本で唯一の装飾古墳に特化した博物館には各地の石室レプリカが並び圧倒されます。個性的な装飾絵画の数々をぜひ。ランチには古墳館の地産地消レストランで素朴な「だご汁定食」が最高です!
http://www.kofunkan.pref.kumamoto.jp/
熊本県立装飾古墳館ガイドブック

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