海が青い、空が青い!
ここが福岡市内で、
空港から車でひとっ走りの距離で、
名物サザエ丼を食べに食堂に入り、
サザエ丼を待ちながら、
自家製のサザエ肝の珍味と
目の前でジュージューと焼いてくれた壺焼きで
冷たいビールをはい乾杯、
などとしたら、
いつぞや、東京からの友人が目をパチクリとしていました。
え? なんで?
と、こちらは思うのですが、
福岡は大都会のビルのイメージがあったそうで。
いやいや福岡は太古の昔から海と生きていて、
この志賀島も阿曇族という海人集団の拠点だったのよ、
ほら、あそこにもここにも、
万葉集の歌碑があるけれど、
遣唐使、遣新羅使の時代に、
遥かな航海に出る前に
ここで潮待ちしながら詠んだのよ、
「アズミ」が全国に散って各地に名前が残り、
長野の安曇野もその一つで・・、
などと時を忘れて過ごす時間は
本当に楽しい。
「金印」で有名な志賀島ですが、
見るべきは金印だけではありません。
玄界灘を舞台にした海人族の歴史の宝庫です。
中世には元寇、
近代には水上飛行場など。
島の入り口に鎮座する志賀海神社は
式内社と記された歴史ある神社。
綿津見三神を祀りますので、
小さな島ですが表・中・底の宮があります。
お気に入りの場所は島の突端の中津宮と沖津宮。
小さな島ながら森深し。
山頂の展望台から海の中道を通して福岡都心を望む。
島の突端の沖津宮。
小さな小さな鳥居が立っているのが見えるでしょうか。
干潮の時は道が現れて渡れます。
ここからは荒波寒風の玄界灘、冬は怖いほどです。
島の展望台からは
玄界灘の東の雄、
ムナカタ族の大島(宗像大社中津宮)まで見えます。
手前の、
崖がストンと落ちている平たい島が、
254基の積石塚で有名な相島(あいのしま)。
その左の綺麗な三角の山が大島です。
西を見ると糸島まで続く海岸線。
古代には航海の目印だった可也山がそびえる、
伊都国の地です。
左端、博多湾に浮かぶ大きな島は
「能古島」(のこのしま)。
そう、あの、
砂がサラサラ泣いた
♪『能古島の片想い』です。
早や半世紀ほど前!?
陽水は天才。
南を見ると福岡市街の向こう側に、
左右からの山並みがすうっと地面に消える場所が。
そこが水城です。
古代、大宰府を守った砦の重要性がよくわかります。
博多湾、玄界灘、
そしてその向こうには大きな大きな世界。
ああ、海はいいなあ。