目玉からチョロリと2本足が生えたような絵。
「双脚輪状文」(そうきゃくりんじょうもん)は、
九州の古墳のわずか数ヶ所にしかない珍しい文様。
磐井が敗れ、
九州がヤマトの支配下に入り、
日本の中央集権化が完成してゆく、
その前夜。
筑紫も肥も豊も手を組んで
中央に対抗しようとした中で、
婚姻もあったかもしれない。
(政略結婚といえばいいのか)
今の熊本〜筑後平野〜飯塚方面と、
当時の勢力範囲を超えて
点々と残る双脚輪状文は、
地元勢力の必死の抵抗を
言い残しているような気がしてならない。
この文様を石室に抱いて眠る人は、
どんな思いで逝ったのだろう。
結末を知らず、逝ったのだろうか。
古墳を見ていると、
今も昔も、弔いには、
人の営みが詰まっているとしみじみ感じてしまう。