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日々あれこれ

北海道の地震

激しい山崩れで風景が一変している。 空からの悲惨な映像を目にしたのは、地震がおきてから12時間もたってからだっ …

福岡タワーと秋の空
Japan 日々あれこれ

お盆も送り火。空は秋の気配

 

送り火。
お盆も終わり。

空はもう秋の気配。

来年4月からの企画を創り始める季節。
皆さまの、
「面白かった~」の声とはつらつとした笑顔を栄養に、生きています!

 

福岡タワーと秋の空(福岡市総合図書館の前から)

正面からの福岡タワー

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お盆です。夏と言えば… 石垣のしめった匂いと線香の薫り

2018年08月13日

「夏と言えば?」。

先日、ふいに投げられたお題に、
「知覧の石垣のしめった匂い」と自然に湧いてきた。

早朝のひんやりと湿った空気。
お盆の線香の匂い。

いなかには帰れないけれど、
空のあちらから戻ってきている曾祖父も祖母も叔母も、
今日はみんな一緒にいる気がします。

提灯とお仏壇で大切な方をお迎えする、あったかい日。
もう、こんな日も贅沢なことになってしまった。

写真は、八女の職人の現場で見せていただいた技。

【写真は、彫り師、提灯の生地師、和紙職人のお仕事です】

 

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満開の桜 一酌散千愁
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一酌散千愁

見事な満開の桜が街を覆った数日後、
花吹雪の中を、大好きな先輩が逝ってしまった。

病気だなんて知らなかった。
いつだってあの笑顔に会えるなど、
なんの約束でもない思い込みなのだと、
当たり前のことに呆然とする。

葬送の式で伺ったお話に、
改めて先輩に会えたような気がしている。

 

「願わくは花の下にて春死なむ
その如月の望月の頃」

自宅を建てたときに庭に桜の木を植えた。
桜を植えたかった先輩は、
庭に桜なんてあまり植えないんだけどね、
といいながら西行法師のこの歌を口にしたそうだ。

そして本当に如月望月の2日後、桜の下で旅立った。

 

はっと思い出したことがある。

「一酌散千愁」

酒蔵開きにおじゃましたときのことだ。
飲み比べを楽しんでいる私たちに、
これ飲んでみて、と注いでくれたお酒。
「わあ、美味しい~!」

嬉しそうに満面の笑みを返す先輩に
「これはどのお酒ですか?」と尋ねると、
ひと言ずつゆっくりと、
「いち しゃく さん せん しゅう」。

「い… しゅう… え?」
わからないと顔に書いてあるのを笑いながら、
「杜甫の詩の一節でね、漢字でこう書くの。
一、酌、散、千、愁。
お酒を酌み交わせばいやなことも全部きえていく、
っていう意味なんだ。」

「僕はね、杜甫が大好きでね。
この古酒は、杜甫の詩から名前をいただいたの」

素敵なネーミングだなあ、
春のうららかな田園風景の中で酌み交わすなんて、
先輩らしいなあ、と、
教養人の先輩をさらにまぶしく見上げたものだ。

 

でも、そのことは記憶の奥にしまったままだった。
お別れの式で、皆さんが語る想い出から、
文化や伝統を体現する酒蔵として、
心を砕き汗をかき、
さまざまな行動をしていらしたと、
初めて知ることが多かった。

たくさんの点が、つながった気がする。

やさしいやさしい方だった。
笑顔しか見たことないと誰もが言っていた。
いつも、柔らかな笑顔で、
いつも、ゆったりした語り口で、
いつも、大丈夫大丈夫と肩をたたいてくれた。

その裏で
強靭な精神が支えていたのですね。

長い闘病を人に知らせなかったこと、
まったく入院せずに通院でたたかい続けたこと、
通院しながら仕事も休まなかったこと、
必ず治ると信じていたこと、
激痛にも弱音をはかなかったこと。

何がその強さを支えていたのだろう。

お酒をのみながら幸せな時間を過ごしてほしい、
満開の花の中で、
のどかな田園で、
うれしいとき、つらいとき、かなしいとき。

お酒とともに、
大丈夫だよという笑顔とともに、
私たちを励ましてくれていた。

文化や伝統行事を、
一所懸命に伝えようとしたのも、
きっと、それが私たちを支えると信じていたから。
そしてそのことが、
ご自身をも支えていたのだろうか。

 

やさしいだけでは
やさしくなれないのかもしれない。

強くなければ。
志がなければ。
行動がなければ。

お別れの式は、
旅立つ前に大事なことを教えようとしてくれた、
そんな時間だったように思われてならない。

 

花を手向けたそのお顔は、
微笑んでいるようにみえた。
死後にお顔がふっくらしてきたせい?
いえ、そんなことなど超越して、
「先輩、最後まで笑ってたよね」、
「笑ってさよならしていたね」、
と私たちに言わせてくれる、
その生き方に心からの敬意を表します。

いや、先輩は、
きっと本当に笑ってたんだ。
もうすぐあちらの世界で、
桜の下でお酒を酌んで、
千の愁いを散らすんだ。

合掌

 

 

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